Babasia rodhaini に対する実験用小動物の感受性について
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概要
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6種のゲッ歯類(マウス, ハムスター, スナネズミ, ラット, ハタネズミ, モルモット)の Babesia rodhaini に対する感受性について検討した. その結果, マウス (dd, ICR, BALB/c/nu/nu) が他の動物に比較して感受性が高く, 常に, 虫血症及び血色素尿症を認め, かつ, 10^4接種では接種後9-12日目, 10^8接種では3〜5日目に全頭が斃死することが分った. ハムスター, スナネズミ, ラットでは10^9接種で全頭に虫血症及び血色素尿症が認められ, 過半数以上のものが斃死した. ハタネズミでは10^9接種で虫血症が認められたものの血色素尿症及び斃死は認められなかった. モルモットにおいては10^8及び10^9接種では虫血症, 血色素尿症あるいは斃死は全く認められなかった. この成績から供試した動物は以下の4つのグループに分けられると考えられた. 1. マウス (dd, ICR, BALB/c/nu/nu) は感受性が最も高く, 10^4接種でも全頭が斃死した. 2. ハムスター, スナネズミ及びラットでは10^9接種で虫血症及び血色素尿症は全例に, かつ, 高率な斃死が認められた. 3. ハタネズミでは10^9接種で虫血症のみが認められるに止まり, 血色素尿症はなく, 斃死するものもなかった. 4. モルモットでは全く感受性が認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1982-06-25
著者
-
韓 相燮
日本獣医畜産大学獣医寄生虫学教室
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佐伯 英治
日本獣医畜産大学獣医寄生虫学教室
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佐伯 英治
日本獣医畜産大学
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樋山 正士
日本獣医畜産大学寄生虫学教室
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石井 俊堆
日本獣医畜産大学寄生虫学教室
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佐伯 英治
日本獣医畜産大学獣医畜産学部
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