乳牛の角膜炎に対するThyrotropin Releasing Hormoneの点眼効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1979年5月より10月に至る, 乳牛の創傷性角膜炎2例及び伝染性角膜結膜炎6例に対して, 合成甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン酒石酸塩水溶液(TRH 0.01%)の1日2回11〜55日間連続点眼を試みた. 1) 両症による角膜炎に対するTRHの透明化効果が臨床的に認められた. 2) とくに, 従来の治療法によっても, 中等度以上の伝染性角膜結膜炎の後遺症状と考えられる角膜の白斑が, TRHによって殆んど完全に除かれ, 角膜の透明度が増加したことは注目に値する. 3) 伝染性角膜結膜炎の進行期の流涙, 羞明, 結膜炎, 角膜中央部の潰瘍化などの症状の進行は抑制できなかった. 初期において原因菌に対する抗菌剤の併用が必要かも知れない. 4) TRH酒石酸塩の長期点眼治療は, 牛体に何ら副作用を示さなかった. 5) 治療中止6力月後再発はみられなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1981-06-25
著者
関連論文
- 持続性繁殖抑制剤ヘキセストロールジカプリレートの1回注射による成熟雄ラットの性腺系抑制効果とその回復
- 乳牛の眼底に関する研究 II : 直像検眼鏡で観察した眼底の異常
- 68 鶏の多数羽飼育における環境衛生学的実態調査 : III.ブロイラー鶏群について (第59回日本獣医学会記事)
- 乳牛の角膜炎に対するThyrotropin Releasing Hormoneの点眼効果
- 犬の老年性白内障に対するThyrotropin Releasing Hormoneの点眼効果 (短報)
- 鶏の中雛胸筋に注射したHexestrol Dicaprylateの注射部位における残留性
- 合成エストロゲンの雄マウスの下垂体前葉に及ぼす影響の電子顕微鏡的研究
- 高能力牛における乳蛋白の変動と卵巣機能の関連
- 飼養管理改善から乳牛疾病の要因を考える
- 乳牛の初産乳量からみた育成牛飼養管理の問題点
- 高乳量時における乳成分の変動--牛群検定成績の調査結果から
- 牛群泌乳曲線からみた乳牛疾病予防と高泌乳の原点
- 乳牛の眼底に関する研究 III : 眼底異常の発生と臨床症状
- 乳牛の眼底に関する研究 I : 臨床的に正常な乳牛の眼底について
- ヘキセストロールジ脂肪酸エステルの雄マウス下垂体前葉の性腺刺激ホルモンに及ぼす効果とその持続性:電子顕微鏡的研究
- ヘキセストロールジカプリレイトおよびテストステロンエナントエート併用のマウスの増体と下垂体成長ホルモンの分泌に対する影響
- マウス下垂体のプロラクチン分泌と乳腺発育におよぼすヘキセストロールジ脂肪酸エステルの影響
- 野外における乳牛の硝酸中毒と野草アオビユの硝酸塩含量(短報)