モルモットの副腎クローム親和細胞からカテコールアミン分泌と細胞内カルシウム濃度の増加を起こすムスカリン受容体のサブタイプ
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概要
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モルモットの分離副腎クローム親和細胞における, カテコールアミン分泌と細胞内カルシウム濃度 ([Ca^<2+>]_i) の上昇を引き起こす, ムスカリン受容体のサブタイプについて, ムスカリン作動薬と桔抗薬を用いることにより調べた. 調べた全てのムスカリン作動薬 (1〜1,000μM)は, 濃度依存性にアドレナリン分泌を増加させた. ムスカリンとメタコリンがベサネコール, オキソトレモリン, ピロカルピンよりも効力が強かった. ムスカリンとオキソトレモリンは細胞外力ルシウム不在下でもアドレナリン分泌を僅かに増加させた. 4-DAMP(0.1μM)とピレンゼピン(0.1μM)は, ムスカリンによるアドレナリン分泌の濃度依存性曲線を右方に移動させたが, メトクトラミン(0.1μM)にはその作用はなかった. これらのムスカリン作動薬は細胞外力ルシウム存在下で, [Ca^<2+>]_iを増加させた. 細胞外力ルシウムを除去すると, ムスカリンによる[Ca^<2+>]_iの増加作用は減少したが, 消失することはなかった. これらの結果は, モルモットの副腎クローム親和細胞におけるムスカリン作動薬によるカテコールアミン分泌の増加は, ムスカリン受容体のM_1もしくは, M_1とM_3サブタイプを介して引き起こされることを示唆している.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1995-12-15
著者
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太田 利男
北海道大学大学院獣医学研究科形態機能学講座薬理学教室
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中里 幸和
北海道大学名誉教授
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中里 幸和
ザンビア大学獣医学部疾病制御学講座
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浅野 忠
北海道大学大学院獣医学研究科薬理学教室
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乙黒 兼一
北海道大学大学院獣医学研究科薬理学教室
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伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科薬理学教室
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伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座薬理学教室
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伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科
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Nakazato Yoshikazu
Laboratory Of Disease Control School Of Veterinary Medicine University Of Zambia
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