デキサメサゾン, レセルピン及びバフィロマイシンA1で処置したPC12細胞からのドパミンとATP放出
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概要
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カテコールアミンとATPのオンライン同時測定法を用いて,PC12細胞からのドパミンとATP放出量及びその時間経過について検討した.PC12細胞は高濃度KCl(60mM)刺激により,ドパミンとATPを同時に同じ時間経過で放出した.流出液中に放出されたATP量に対するドパミン量の割合は9.5であった.PC12細胞をデキサメサゾン,レセルピンもしくはパフィロマイシンA1で2日間処置したが,高濃度KClによる細胞内Ca上昇([Ca^<2+>]_i)は変化しなかった.高濃度KCl刺激によるドパミンの放出量は,デキサメサゾン処置では約2倍以上に増加し,一方レセルピン処置においてほぼ完全に消失した.これに対してATP放出量は,これらの薬物処置によっても変化しなかった.パフィロマイシンA1処置では高濃度KClによるドパミンとATP放出量が共に有意に減少した.これら薬物処置により,放出されたATPの分解率は変化しなかった.以上の成績からPC12細胞においては,分泌小胞からドパミンとATPが同時に放出されること,ドパミンとATPは独立した経路を介して小胞中に貯蔵されること,また小胞H^+-ATPaseはカテコールアミンの小胞内貯蔵と同様に小胞内ATP貯蔵にも重要であることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-04-25
著者
-
太田 利男
北海道大学大学院獣医学研究科形態機能学講座薬理学教室
-
中里 幸和
北海道大学名誉教授
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中里 幸和
ザンビア大学獣医学部疾病制御学講座
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伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科薬理学教室
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伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座薬理学教室
-
伊藤 茂男
北海道大学大学院獣医学研究科
-
Nakazato Yoshikazu
Laboratory Of Disease Control School Of Veterinary Medicine University Of Zambia
-
葛西 洋平
北海道大学大学院獣医学研究科比較形態機能学講座薬理学教室
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