導電体挿入による地すべり土の化学的性質の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ベーダー(Christian Veder)が提案した「地すべりの電気化学的な安定工法」を検証するために行った現場実験結果のうち, 主として地すべり土の化学的性質の変化について述べた。実験場所は新潟県中頸城郡の第三紀層地すべり地としてしられる建設省猿供養寺地すべり試験地内である。実験は地すべり面を貫き基盤泥岩中にまで貫入されたボーリング孔内に導電体(φ25の丸鋼)を挿入して, 挿入前と挿入1年後の性状の比較をすることによって行われた。実験の結果, 地すべり土塊の化学的性質の変化に関して次のことが判明した。導電体を挿入して1年後には地すべり土層の酸化還元電位が酸化側に移り, 土層中の第1鉄イオンが酸化されていた。また, 粘土粒子に吸着されている交換性陽イオンのうちのNa^+イオンが減り, 粘土の交換性陽イオンは2価の陽イオンで占められた。移動土塊の下層部で自然含水比の低下が認められ, 逆にpHは高くなった。以上の結果から, 地すべり土層に導電体を導入することは, 土層を酸化状態にし, 土粒子の界面化学的性質を変化させることが明らかになった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1980-06-15
著者
関連論文
- 3-47 酵素糖化法を促進する前処理技術の開発((11)糖化・発酵2,Session 3 バイオマス等)
- 木質バイオマスからのエタノール生産
- 地すべり地に応用した導電体挿入工法
- 導電体挿入による地すべり土の化学的性質の変化
- 1153 地すべり地に応用した導電体挿入工法
- 地中電位解消による土の含水比変化について
- 赤倉トンネルにおける膨張性泥岩に関する研究