地中電位解消による土の含水比変化について
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概要
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本報はベーダー(C. Veder)の提案している地すべりの電気化学的な安定工法に関して, 基礎的な現象を確認するために実施した予備実験の結果をまとめたものである。ベーダーはある種の地すべりの現象として, 電位差の異なる2層構造が存在する場合, 電位差に基づいて水の流れが生じており, これが地すべりの発生に大きく寄与しているという仮設をたて, 地すべり解消の方法として層間を電導体により短絡することを提唱している。そこで筆者らは, 酸化第二鉄を用いてシルト質粘土による二層模型を作成し, 放置した状態及び両層を電導体で短絡した状態について, 含水比, 電位差及びpHを測定した結果, 次の事項が明らかになった。(1)2層の境界付近で含水分布の突起が認められた。(2)電導体そう入により, 2層の境界付近の含水比は5〜8%低下し, そのためにかなりのせん断強度の増加が期待できる。(3)含水量変化の原因として, 鉄化合物と水との化学反応も考えられるので, 今後検討する必要がある。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-09-15
著者
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