鋼矢板を用いた山止め架構の根切りに伴う挙動

概要

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非常に軟弱なチュウ積層からなる横浜の市街地において建物の地下工事を行なうに際して, 過去に実施した根切り工事における山留め架構の挙動の観測結果を施工計画に反映させて経済的かつ無事に工事を終了することができた。当現場においては床付けがGL-10.7mであり, 16mの深さまで打ち込んだIV型鋼矢板を山留め壁として3段切バリによる切バリオープンカット工法を採用したが, 剛性不足による変形を防止するために鋼矢板の裏側に共下り防止グイを施工し, 両者の頭をR.C.で緊結して0段切バリを設けると共に1〜3段切バリ架設時に設計軸力の50〜70%のプレロードを導入した。また, 根切り工事のスピード化をはかるために火打ちバリおよびブレースを省略した。これらの施工計画による施工中の不測の事故を未然に防止するために山留め壁の挙動, 切バリ軸力, 腹起こし応力, 山留め架構の変形, および近接構造物の挙動などを測定することにより安全管理を行なった結果, 周辺への影響がほとんどなく根切り工事を終了することができた。
社団法人地盤工学会の論文
1976-09-15