風化岩の吸水膨張とその地質工学的意義
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概要
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熱水変成作用などを受けた風化岩の吸水膨張量と膨張圧力を測定し, その地質工学的意義について検討している。試料は新第三紀中新世のプロピライト, 凝灰岩類, 泥岩および白亜紀の泥岩, 凝灰岩ならびに蛇紋岩などである。熱水変質作用や地スベリ地で粘土化を受けたものである。1)モンモリロナイトを含む岩石, 土, 粘土化蛇紋岩および隣片状蛇紋岩などは多少の差はあるが吸水膨張する。2)不拘束状態における吸水膨張量と膨張圧力との間には相関性がない。3)ある圧力になると吸水および膨張が停止する岩石がある。4)吸水膨張圧は含有粘土鉱物種・量および乾燥密度と関係が深い。プロピライトなどは15kg/cm^2ときわめて大きい値を示した。5)吸水膨張量は多くの場合短時間でその大部分が発生しその後は徐々に増加する。一般に吸水時間の長いものはその膨張圧も大きい傾向がある。以上のような実験結果から, モンモリロナイトを含有する岩盤のトンネル地圧の発生原因および斜面の崩壊, 地スベリなどの発生原因について, 地質工学的に検討を加えている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1974-12-15
著者
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