牛のY染色体上に位置する新しい反復配列 : PCRを用いた胚性判別への応用(臨床繁殖学)
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概要
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牛胚の性判別に応用するため,雄牛に特異的な反復配列を新たに同定し,PCRを試みた.新たな反復配列はS4と命名した.S4は1.5kbを単位とする高度反復配列で,さまざまな内部リピート配列を含んでいた.FISHによる解析でS4は主としてY染色体長腕に分布しており,Y染色体短腕近位部にも分布が見られた.S4の塩基配列を基に作成した1組のPCR用プライマーは,178bpの雄特異的産物に加えて145bpの雄雌共通産物を増幅した.145bpの雄雌共通産物の由来は解析できなかったが,胚の性判別を行う上では内部陽性コントロールとして適していた.S4の高いコピー数のためPCRに必要なDNA量は精製DNAで最少0.5pgであった.反復配列S4を用いたPCRによる牛胚の性判別は正確で高感度な方法であることが明らかとなった.この方法により,採取する検体量を減らすことができ,移植胚に与えるダメージを小さくできる.
- 2004-05-25
著者
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陰山 聡一
北海道立畜産試験場畜産工学部
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吉田 郁也
北海道大学先端科学技術共同研究センター遺伝子機能研究室:北海道大学大学院地球環境科学研究科
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千国 幸一
(独)農業技術研究機構畜産草地研究所品質開発部食肉特性研究室
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川倉 和彦
農林水産省畜産試験場繁殖部生殖細胞研究室
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陰山 聡一
北海道立畜産試験場
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陰山 聡一
北海道立畜産試験場畜産工学部遺伝子工学科
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千国 幸一
(独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所
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千国 幸一
(独)農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所
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