黒毛和種閉鎖繁殖牛郡の体重測定順序に関与する個体要因および育成子牛の順序形成時期
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概要
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牛群の体重測定時の誘導作業をスムーズに行うことを目的として、牛群内に生じる体重測定順序と各個体の対人恐怖性との関係、および順序が形成される月齢について検討した。試験1では、25頭の黒毛和種繁殖牛群を供試して、無報酬で2週間ごとに実施している体重測定において無作為に1頭ずつ牛衡器室へ追い込んだときの体重測定順序、および放牧地でヒトの接近に対する個体の回避反応を調査した。体重測定順序の測定日間には、通常の体重測定だけの作業では有意な正相関が認められたが、通常は行わない作業を加えた場合には相関は認められなかった。個体の体重測定順序の平均値が小さいものから順に並べた平均体重測定順序には, ヒトヘの恐れが少ない個体は前方となり、恐れが多いものは後方となる関係があった。しかしながら、この関係とは逆に、まったくヒトを恐れなかった1個体の平均体重測定順序は末尾であった。試験IIでは、各24頭の育成牛群2群を供試して試験Iと同様に体重測定を行い、牛群内に安定した体重測定順序が形成されるのは7ヵ月齢以降であることを明らかにした。この順序には日齢、体重および日増体量との相関関係、および性差は認められなかった。繁殖牛群と育成牛群の体重測定順序に母子間の相関関係は認められなかった。日本家畜管理学会誌、36(3) : 129-138、2000 1999年10月18日受付2000年9月8日受理
- 2000-12-15
著者
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