コッテージ型繁殖豚舎の試作
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概要
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繁殖豚管理方式の1例として, コッテージ型繁殖豚舎をわが国の気候に適するように試作し, 実際に繁殖豚を飼養して3産まで分娩をくり返し, 構造上の得失, 管理上の問題点を検討した。1.豚舎は2.4m×2.4mの面積で高さは1.23mの両屋根型とし, 豚舎に続けて同面積の運動場を付設した。飼槽および飲水器は運動場に設置し, 舎内の管理は屋根を開けて行なった。2.分娩管理, 哺育管理は管理者が内部に入り行なったが, 特に支障をきたすことはなかった。初産次に子豚が2頭, 母豚の出入口付近で事故死したが, 子豚用出入口を設け, さらに分娩後1週間は舎内で給餌給水することによって, その後の事故はなくなった。3.夏季の暑熱時には豚舎の両屋根を開けたので通風がよく, 室温は外気温より低めに経過した。冬季は, 豚舎容積が小さいため, 豚体から放散する熱によって, 室温が上昇し, 4〜12℃を保っていた。子豚の保温のために赤外線電球(375W)を点灯した場合には20〜25℃の室温を保持していた。4.繁殖成績は年2.0産, 育成頭数は年15.3頭, 育成率は85%であった。以上の試作, 試用の結果からコッテージ型繁殖豚舎は建築が容易であること, 繁殖豚の個体管理ができ, かつ豚が自由に行動できるスペースを持つ点において優れた管理方式と言えよう。ただし, ストール飼育方式に比べ, 土地面積を広く要する点, 管理を機械化し難い点などのため, 繁殖豚の飼養頭数は中規模の数十頭経営までに適用できる管理方式と考えられる。
- 日本家畜管理学会の論文
- 1983-09-20
著者
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