乳用種去勢牛の放牧行動 : I、行動の季節変化と採食行動のパターン
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
草生良好で、草量も十分だったと思われる草地に、粗放的に輪換放牧(ただし冬期間は乾草の不断給与)した18頭のホルスタイン種および種系の去勢雄牛の集団のなかから、社会的順位が最上位にある2頭について、昭和51年の春(5月)、夏(7月)および秋(10月)の3季節に、それぞれ2回、全24時間の行動を調査した。連続観察法を用い、分単位で行動の変化を記録した結果、次のような成績をえた。1.2頭についての3季節における観察(1)牛が1日のうち採食行動に消費した平均時間は5月が528分、7月が583分、10月が430分であった。(2)平均反芻時間は5月が515分、7月が380分、10月が377分であった。そのうちの横臥時間はそれぞれ422分(82%)、306分(81%)、325分(86%)であった。(3)R/G値は、平均では5月が0.98、7月が0.65,10月が0.88であった。(4)平均休息時間は5月が300分、7月が370分、10月が486分で、そのうちの横臥時間は、それぞれ218分(73%)、278分(75%)、326分(67%)であった。(5)5月には640分(44%)、7月には584分(41%)、10月には651分(45%)横臥していた。(6)ヒストグラムは5月と7月の採食行動に2個(朝と夜)のピークがあることを示している。10月にも4つの主要な採食時間帯があるが、5月と7月ほど顕著ではない。(7)5月には午前6時から同11時までの5時間に169分(32%)、また午後3時から同10時までの7時間に308分(58%)採食している。(8)7月には午前4時から同9時までの5時間に224分(38%)、また午後3時から同10時までの7時間に293分(50%)採食した。(9)3季節においても、深夜の採食行動はほとんどみられなかった。(10)5月には全反芻時間の69%(354分)を午後10時から翌日の午前6時までの間にとっている。(11)7月には午後10時から翌日の午前4時までの問に47%(180分)、そして午前11時から午後3時までの問に28%(105分)を反芻に消費した。(12)10月には反芻は特定の時間帯に集中することなく、分散している。2.1頭についての夏における観察11号牛の採食行動には一つのパターンが認められた。すなわち、短時間の採食行動の反復・長時間の集中的な採食行動(1回目)→短時間の採食行動の反復→長時間の集中的な採食行動(2回目)=採食終了
- 日本家畜管理学会の論文
- 1977-10-25
著者
-
高崎 宏寿
玉川大農
-
石井 幹
玉川大学農学部
-
久保田 義正
玉川大学農学部
-
高崎 宏寿
玉川大学農学部
-
久保田 義正
玉川大学
-
平田 正敏
玉川大学
-
福本 幸子
玉川大学農学部
-
平田 正敏
玉川大学農学部
-
丸山 恭仁子
玉川大学農学部
-
福本 幸子
玉川大学
関連論文
- 脱硫効率に及ぼす各種要因(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2010年度春季研究発表会)
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : VI牛群の行動と天候(2)
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : V.牛群の行動と天候(1)
- 混合資材の違いがバイオガス発生量に与えた影響
- 消化液利用による脱硫装置の内部構造と脱硫性能--脱硫装置の設計要因の解明
- 消化液の深さと環境負荷ガス発生(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2009年度春季研究発表会)
- 脱硫装置の内部構造と脱硫効率(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2009年度春季研究発表会)
- 生物脱硫装置の設計要因の解明 : 実規模試験(日本家畜管理学会・応用動物行動学会2008年度春季合同研究発表会)
- 未利用食品副産物を用いた畜肉生産に関する研究 : 豚の増体および肉質からみた豆腐粕サイレージの給与量と飼料価値の検討
- ホルスタイン種去勢牛の発育,飼料利用性および肉質に及ぼすサリノマイシンとモネンシンの影響
- 消化液利用による脱硫装置の内部構造と脱硫性能 : 脱硫装置の設計要因の解明
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : I、行動の季節変化と採食行動のパターン
- 放牧牛の行動
- 放牧を加味したホルスタイン種去勢牛の肥育試験
- 放牧をとりいれたヘレフォ-ド種去勢牛3タイプの肥育試験
- 乳牛の機械搾乳時における行動と忌避反応との関係
- 搾乳時と非搾乳時における乳牛の行動比較
- ホルスタイン種雌牛の気質に関係する2,3の要因について : II.種雄牛が娘牛の搾乳気質に及ぼす遺伝的な影響
- ホルスタイン種雌牛の気質に関する二・三の要因について
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : VIII 補助飼料の採食時間
- 放牧牛の濃厚飼料採食時間
- ウシの哺乳・育成期における模擬闘争発生個体の行動特徴
- 動物介在活動に用いられるヤギの反応性(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2006年度春季研究発表会)
- 子牛のヒトに対する模擬闘争行動の罰訓練による制御
- 馴致処理期間中の子牛によるヒトに対する模擬闘争行動の発達および行動的・生理的特徴との関係
- 馴致処理期間中の子牛によるヒトに対する模擬闘争行動の発達および行動的・生理的特徴との関係
- 酪農家からみた乳牛の搾乳気質評価に影響を及ぼす要因の解析
- マネキンに対して模擬闘争行動を発生する子牛の行動的・生理的特徴
- 子牛の哺育期における馴致処理がヒトへの逃避反応性および模擬闘争行動に及ぼす影響
- 哺乳期子牛のヒトに対する模擬闘争行動の発生および制御
- 74 エゾノギシギシの抽出物が牧草種子におよぼす影響
- エゾノギシギシの抽出物が牧草種子に及ぼす影響
- ウシの哺乳・育成期におけるヒトに対する模擬闘争発生個体の行動特徴
- 7-13 サイレージの排汁 : 加圧装置の試作
- 育成牛の管理者に対する逃避反応性と牛郡内での社会的行動およびオープンフィールド行動との関係
- 育成牛の哺乳期における愛撫処理が忌避反応・接近反応および逃避反応距離に及ぼす影響
- 哺乳期および育成期における愛撫処理が牛の逃避反応性に及ぼす影響
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : IV.闘争と社会的順位
- 舎飼い期と運動期における乳牛の搾乳時の行動比較
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : IV 育成牛の角突き順位の決定
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : III開放牛舎における夕方の行動形
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : III.開放牛舎における夕方の行動形
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : II.開放牛舎における早朝の行動形
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : II.照度と早期の行動との関係
- ボエフリアクタ-方式汚水処理場汚泥の脱水ケ-キ利用--飼料作物(デントコ-ン)栽培への適用
- 肥育豚における食品製造副産物の有効利用
- 平成8年度共同研究中間報告(1) : 環境保全及び資源管理を基盤とした持続型家畜生産システムの開発研究
- 食品製造副産物の有効利用-1-豆腐粕の成分
- 性成熟後の肉牛における低栄養飼養が発情行動および卵巣機能に及ぼす影響
- 脱硫装置の設計・運転・管理条件(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2011年度春季研究発表会)
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : V 牛群の採食行動と天候
- 牛の採食行動における採食パターンと短時間の調節機構
- 農用家畜に見られる異常行動
- 行動学者から見た牛の現代的飼育方法の長所と短所
- 乳用種去勢牛の放牧行動 : VII.牛群の食草行動
- 消化液を用いた脱硫装置の処理能力と設計仕様