オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)放牧草地におけるエゾノギシギシ(Rumex obtusifolius L.)の生態と牧草生産性との関係
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概要
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放牧草地におけるエソノギシギシの生育と繁殖の季節的パターンと,それらに対して影響を及ぼす要因について把握し,エゾノギシギシが牧草生産量に対して及ぼす影響を明らかにするため,1994年の4月から1995年の12月まで試験を行った。春から秋に進むにつれて,イネ科牧草の収量は減少し,エゾノギシギシの収量は増加した。エゾノギシギシの被度は調査期間中徐々に増加したが,特に1995年の夏以降顕著に増加した。エゾノギシギシ成個体(子葉以外に2枚以上の葉をもつ個体)の密度は調査期間中徐々に増加した。実生個体(子葉を持ちそれ以外の葉が1枚以下の個体)は放牧直後の増加とその後の減少とを繰り返し,1994年の秋には顕著な増加がみられた。埋土種子の密度は8月に高くなり,秋には減少した。イネ料牧草の収量とエゾノギシギシの特性とは,それぞれの季節で負の相関関係にあり,それらの関係は夏以降高くなった。エゾノギシギシの特性のなかで,イネ科牧草の収量と最も高い相関関係を示したのは被度であった。これらの結果をもとに,本調査を行った放牧草地におけるエゾノギシギシ生育と繁殖の季節的なパターンと,それらに対して影響を及ぼす要因(放牧強度など)およびエゾノギシギシの生態と牧草生産量との関係について考察した。
- 日本草地学会の論文
- 1999-10-31
著者
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