金属板暴露法による公衆電話機内外の環境調査
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概要
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金属板暴露法を用いて公衆電話機内の腐食環境を今回初めて評価した。厳しい大気環境に曝される電子機器の一つである公衆電話機内部の腐食環境データの報告例はなく, 今回, 九州地区の火山地域, 海岸地域, 工業地域などの9ヶ所に設置されている公衆電話機の内部および外部に銀板・銅板を短期間設置してそれぞれの腐食量を評価した。その主な評価結果を以下に示す。(1)公衆電話機内部では, 硫黄腐食および塩素腐食が発生しており, その原因は外気の腐食性ガス成分の流入によるものである。(2)公衆電話機内部の硫黄腐食量には, 火山地域や工業地域などの地域依存性がある。しかしながら, 外部の腐食量に対する内部の腐食量は平均で約0.3であり, 地域依存性はあまりない。(3)公衆電話機内部の塩素腐食量には, 火山地域や工業地域などの地域依存性は比較的少なく, ほぼ一定であった。(4)公衆電話機内部の腐食量を関東地方都市部におけるNTTビル内部の腐食量と比較すると, 硫黄腐食量は公衆電話機内部の方がNTTビル内部より少なく, 塩素腐食量は公衆電話機内部の方がNTTビル内部より多い結果となった。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2001-03-10
著者
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