多成分大気汚染物質の非保存型輸送・反応モデルとそのベンゼンおよびトルエン濃度予測への応用
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概要
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大気中に混在する多成分有害汚染物質の輸送・反応過程の解明を目的とした一般的な非保存型輸送・反応モデルを構築し, これを大気中のベンゼンおよびトルエンの濃度予測に応用した。このモデルは, 定数係数の連立放物型偏微分方程式の一次元フーリエ変換解を行列理論を用いて導出した結果を基礎としている。この時空間解から, すべての大気汚染物質の平衡濃度を決定する定常解も導出した。この解を用いて大気中のベンゼンおよびトルエン濃度の空間分布を導出する為に, 以下の3種類のモデル計算を実施した。第1の単一汚染物質モデルでは, 大気中のベンゼンの発生, 移流, 拡散, そして消滅過程の解析を行った。ヘビサイド階段関数を発生項とし, 発生領域2km, 発生レート100μgm^<-3>hr^<-1>で計算を行った結果, 発生領域付近での最大平衡濃度予測値約33μgm^<-3>が得られた。第2に輸送・正逆反応過程を含む2汚染物質モデルをつくり, トルエン/クレゾール系の解析を行った。ここでは更にクレゾールの消滅反応を考慮し, 正反応との競合によって定常濃度分布がかなり変化することを認めた。最後に輸送と12個の反応経路解析が可能な4汚染物質モデルをつくり, トルエンからベンズアルデヒドヘと変質する過程を2個の中間生成ラジカルと6個の反応定数によって解析した。トルエン発生後10時間における30km〜80kmでの濃度空間分布に動的平衡状態を認めた。
- 1998-07-10
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