医療機関におけるエチレンオキサイド滅菌管理に関わる調査

概要

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医療機関のガス滅菌作業において主に使用されるEOの使用と管理状況を某政令指定都市の医療機関において調査した.調査方法は某政令指定都市の主要病院およびランダムに抽出した診療所189箇所に自記式質問票を送付し, 127医療機関より返答があった.そのうち内容が不適切であったものを除いた120医療機関について集計・解析を行った.産業医・衛生管理者の選任は50名以上の機関で70%で他の業種に比べて低い傾向にあった.全従業員あたりのEO滅菌作業従事者は病院で1.6%であるのに対し診療所では20.5%と高かった.EOガス管理の状況としてはガスの漏れ(59%)や隔離がされていない(46%)などの管理上の問題や排気の逆流(41%)や滅菌用作業着を着用していない(69%)などの作業方法の問題が多いことがわかった.また, これらの調査項目の内3項目ほどが産業医の選任されている機関で改善されていた.以上より医療機関ではEOなどの有害物を扱うので, 産業保健体制と管理の充実が, より安全な滅菌作業の実現のために必要であることがわかった.
社団法人日本産業衛生学会の論文
2000-03-20