オットー・ノイラートの活動におけるアイソタイプの意味 : 科学の統一運動との関連を中心として
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概要
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本稿の目的は, オットー・ノイラートの活動を視覚表現に取り組む端緒となった戦争経済博物館での試みからアイソタイプの提案に至る過程を中心に再構成し, アイソタイプに込められたノイラートの思想的含意を彼の他の活動との関連性を通して, 同時代の文脈を含めたより広い視野から考察することにある。彼の視覚表現に関わる活動は「ウィーン社会経済博物館」において「絵による統計」の手法「ウィーン・メソッド」として具体化するが, 統計への関心自体は第一次大戦中の戦争博物館における活動にまで溯れる。しかし1934年のハーグ亡命以降に書かれた「絵による国際言語」では, むしろ「絵による言語」として, その言語としての性格が強調されるようになった。ノイラートの視覚教育における統計から国際的に通用する言語への訴求点のこうした転換は, 彼のもう一つの重要なプロジェクト, 「科学の統一運動」の到達点であった「統一科学百科全書」の提案と同様に, 特に同時代のファシズムの脅威に対抗する意識的な国際的協調の呼びかけをも含意していた。
- 日本デザイン学会の論文
- 1998-05-31
著者
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