福島県会津坂下町のハタネズミから採集された恙虫の 1 新種 : Trombicula (Leptotrombidium) kitaokai n. sp.
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概要
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福島県会津坂下地方は, Trombicula akamushiが分布することで恙虫病研究者に知られているが, 1959年4月同地のワイル氏病調査のため北岡正見博士に同行した鈴木・藤倉は, 捕鼡をも試みハタネズミを生けどりにして東京に持参した.浅沼は宮本武美氏の援助をうけてこれを飼育し, 満腹恙虫を回収している間に, 著しく大きな白色の恙虫が離脱したことに気づいた.そこで1匹は幼だにのまま封入標本とする一方, 他は若だにに脱皮後標本としたが, 前者は日本産既知種と異ると同時に, 国外産の種類にも該当しないことを知つたので, ここにまず幼だにに基き記載を行う所以である.なお同種をさらに採集する目的で浅沼は鈴木と共に, この後原産地を中心にして捕鼡を行つたが, このさいには本種を認めえなかつたことを附記しておく.記載に入るにあたり, 御教導を辱くした田宮猛雄・北岡正見両先生, 現地で色々と御高配に与つた会津坂下保健所長渡部浩寿博士, 次長穴沢一男氏, 技師石田一郎氏飼育などを御援助下された宮本武美氏ら諸各位に厚く御礼申上げる次第である.
- 日本衛生動物学会の論文
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