クマリン系殺鼠剤の毒作用 : (6) Warfarin による Prothrombin Time の延長に対するビタミン K, P, C, 葉緑素, メチオニン, ニコチン酸アミド, グロン酸及びサリチル酸ソーダの影響
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概要
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草野(′56)は第4, 5報でクマリン系殺鼡剤による凝血障害は主としてProthrombin量の減少によることを明にした.また著者の実験結果からビK欠乏のときとクマリン系殺鼡剤の場合の出血状態並に凝血障碍が類似している.更にLink et al.(′44), Field(′53)によつてDicumarolとビK, P, Cは代謝拮抗することが報ぜられている.これ等の事実から, クマリン系殺鼡剤の効力がビK, P, Cにより低下することが懸念される.もしビK, P, CがWarfarinと完全に代謝拮抗するとすれば, これ等のビタミンを含む野菜を野外, 屋内で摂食する機会をもつ野鼡に対してWarfarinは十分にその作用を発揮することが出来なくなる.このような観点からWarfarinによるPTの延長及び死亡日数に対するビK, P, C, 葉緑素並びに強肝剤メチオニン, ニコチン酸アミド, グロン酸影響を調査した.またWarfarinが生体内でサリチル酸のようなものに変化してProthrombinを減少せしめるか否か, サリチル酸とWarfarinは代謝拮抗するか否かを調べる目的でWarfarinによるPTの延長並に死亡日数に対するサリチル酸ソーダの影響を調べ, Warfarinの作用機作について考察を加えた.本研究を行うに当り終始御指導を賜つた当教室三坂教授に深謝の意を表する.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1956-12-05
著者
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