クマリン系殺鼠剤の毒作用 (7) : 中毒鼡の出血に関する考察
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概要
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三坂, 草野(′55)はクマリン系殺鼡剤によるPTの延長並にその持続(本剤の体内における蓄積)と中毒死との間に密接な関係があることを前報で明にした.更に草野(′55, ′56)はこの凝血障碍は主としてProthrombinの減少によることを明にした.このクマリン系殺鼡剤による凝血障碍と中毒死とはどのような関係にあるのであろうか?吉植(′50)によれば止血機構は少くとも次の3つの機構1)血液凝固機構, 2)血小板の機能, 3)血管系の反応の協同作用によつて行われるという.従つて以上の3つの機構のどれか1つ或は2つ或は3つの障碍により出血が生ずるものと考えられる.筆者はこのような観点から, クマリン系殺鼡剤による凝血障碍について研究を進めてきたが, 今回は出血と密接な関係があると思われる血球数, 血管抵抗等を測定し, 出血と凝血障碍の関係について考察を加えた.本研究を行うに当り終始御指導を賜つた当教室三坂教授に深謝の意を表する.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1957-04-05
著者
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