アカネズミの外部寄生虫相 : II. 各種寄生虫の相互関係
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概要
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前報に引続き, アカネズミの外部寄生虫相について, 1954年7月より55年6月迄実施した調査の結果について考察を加えた.以下にその要約を述べる.1.ツツガムシ科.2属9種, 個体数多く, 秋, 冬, 春の代表的グループである.2.トゲダニ科.4属4種, 秋, 冬, 春は少なく夏に多い.大部分はL. jettmarnで夏の代表的グループである.L.jettmariは年間を通じて, 第1, 第2若ダニ, 雌及び雄親ダニの各期のものが採集されたが, 雌親ダニの比率が常に高い.又幼ダニは盛夏に少数採集された.3.マダニ科.1属3種, 年間散発的に採集され, 個体数も少ない.親ダニ期のものは採集されなかつた.4.Glycyphagidae. Hypopus, 春から夏にかけてやや個体数が増加する.5.ケモノジラミ科.2属2種, 個体数は少ないが, 夏にやや増加する.6.その他.ツメダニ科は個体数が甚だ少ない.又Dermoglyphidaeは特殊な寄生例と考えられる.7.ツツガムシ科, トゲダニ科, 及びGlycyphagidaeの3者の間には顕著な干渉作用は認められないし, 又寄主の雌雄別による採集数の差も認められなかつた.
- 1956-12-05
著者
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