アカネズミの外部寄生虫相 : I ツツガムシ類 (Trombiculidae)
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概要
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1954年7月より55年6月まで和歌山県有田郡広川町字唐尾の谷で, 毎月1回野鼡を採集し, 59頭のアカネズミApodemus speciosusを得た.これらのアカネズミよりツツガムシ幼虫を採集し, その季節消長, 寄生様式等の一部を明らかにしようとして次の如き結果を得た.1 全期間を通じて, 2属9種5281頭のツツガムシ幼虫を採集した.2 寄主1頭当り, 平均採集数よりみると, 次の3つのグループに分けられる.A 全期間を通じて常に少数採集されるものTrombicula kansai, Gahrliepia saduski B 11月, 12月に採集数のモードが生ずるものT. pallida, T. kitasatoi, T. miyajimai, T. japonica C 1月, 2月にモードが生ずるものT. fuji, T. kochiensis, T. daisen 3採集地区によるツツガムシ幼虫相の差は認められなかつた.4 順位指数と平均採集数とは必ずしも平行的ではない.5 寄生順位の変動により寄生の仕方は次の3グループに分けられる.A 順位の標準偏差の絶対値Sが常に1より小さいものT. fuji, T. kochiensis B Sが0〜2までの値をとるものT. pallida, T. kitasatoi, G. saduski C Sが常に1より大きいものT. daisen, T. kansai, T. miyajimai, T. japonica 6寄主体重とツツガムシ幼虫採集数との間には+0.602の正の相関関係が認められた.
- 1955-12-30
著者
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