春期, 河口湖周辺域に大量飛来する"不快昆虫"としてのユスリカ成虫に関する研究
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概要
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毎年, 春期に河口湖湖岸のホテルや民家に大量飛来するユスリカ類の種類と発生量, 発生消長を明らかにするために, 1994年3月から5月にかけて, 湖東部の湖岸3地点にボードトラップを設置し調査を行った。調査期間中, 3地点で合計38,498匹の成虫が捕獲され, その内の98.4%がBiwatendipes tsukubaensis Sasa et Uenoであった。次いで多く捕獲されたのはGlyptotendipes tokunagai Sasaで全体の1.1%であった。Chironomus yoshimatsui Martin et SubletteとC. plumosus Linnaeusも捕獲できたが, 個体数は少なかった。湖から発生するユスリカ類は時間の経過とともに優占種が交代した。すなわち, 3月中旬からB. tsukubaensisが捕獲され始め, 時期をずらしてG. tokunagaiが3月下旬から捕獲された。次いでC. yoshimatsuiが4月中旬に, 5月初旬になるとC. plumosusが捕獲され始めた。このように数種類のユスリカ類の羽化期が春期に重なることが, 湖周辺域に住む住民にとって, 春期に多くのユスリカ成虫が湖岸域に飛来するといった印象を持たせると思われた。
- 1996-09-15
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