破裂外側向きparaclinoid carotid aneurysmの検討
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概要
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破裂外側向きparaclinoid carotid aneurysm 2症例の報告である.症例1は41歳男性で, 突然の後頭部痛にて発症した.CT上, Fisher group 3のクモ膜下出血を認めた.脳血管撮影では右内頸動脈C2 portionに正面像で外側向き, 側面像で後上方向きの動脈瘤を認めた.手術に先立ち, 右内頸動脈にballoon catheterを留置し, 右前頭側頭開頭にてクリッピング術を施行した.動脈瘤はbroad neckではなく, 内頸動脈に対して垂直にクリッピングを行った.症例2は71歳女性で, 軽度の頭痛と複視にて発症した.CT上, クモ膜下出血は不明瞭であった.脳血管撮影では, 右内頸動脈C2 portionに正面像で外側向き, 側面像で後下方向きの動脈瘤を認めた.開頭術に先立ち, 頸部にて内頸動脈を確保した.脳表にはクモ膜下出血を認めなかったが, シルビウス裂や頸動脈槽には少量のクモ膜下出血を認めた.典型的なbroad neckであったため, シルビウス裂の方向より直視下に後交通動脈を避けて, 内頸動脈に対し平行にクリッピングを行った.Paraclinoid carotid aneurysmは血管分岐や動脈瘤のprojectionにより分類されるが, 外側方向に突出した動脈瘤のcategoryは必ずしも明確ではない.手術での注意点, 血管内治療との比較などについて報告した.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2005-09-20
著者
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松本 祐蔵
香川県立中央病院脳神経外科
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相原 寛
香川県立中央病院脳神経外科
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西尾 晋作
香川県立中央病院脳神経外科
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河内 正光
香川県立中央病院脳神経外科
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安部 友康
香川県立中央病院脳神経外科
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門田 知倫
香川県立中央病院脳神経外科
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