脳萎縮を伴う小児モヤモヤ病手術における術中流速測定の有用性の可能性-脳動脈同定の補助-
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概要
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目的:脳萎縮を伴う小児モヤモヤ病では,脳酸素消費量が著明に低下しており,直接吻合術を施行する際,脳表動静脈の区別が困難な場合がある.今回,術中ドップラー流速測定が有用であった症例を経験したので報告する.症例:1歳9ヵ月のモヤモヤ病男児で,急速に脳萎縮が進行し,経過中,同側の硬膜下血腫を合併した症例に,suoerficial temporal artery-middle cerebral artery anastomosis を施行した.術野の脳表動静脈はいずれも外観上は赤く識別が困難であったため,術中ドップラーを使用した.静脈と考えられる血管では流速が測定できず記録できなかったが,動脈枝と考えられた血管では動脈波が確認できたため,これに浅側頭動脈を直接吻合した.結論:著明な脳萎縮を伴う小児モヤモヤ病に対する直接吻合術中,脳表の動静脈の識別が困難な際は,ドップラーを用いた術中流速測定が有用である可能性が示唆された.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2003-09-20
著者
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