皮質動脈損傷による大脳半球間裂急性硬膜下血腫の1手術例
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概要
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症例は75歳,女性で,後頭部打撲後意識障害(JCS200)にて発症した,円蓋部まで広範な進展を呈した急性大脳半球硬膜下血腫例である.まず左円蓋部急性硬膜下血腫に対し手術を施したが,翌日のCTで左大脳半球間裂硬膜下血腫の増大を認め,症状も遷延したため第4病目,左前頭開頭し,大脳半球間裂硬膜下血腫を摘出した.術中所見として,大脳半球間裂の皮質動脈に出血点を認めた.術後経過は良好であった.大脳半球間裂硬膜下血腫の発症機序は従来,橋静脈の伸展,破綻によるものとされているが,大脳半球間裂の皮質動脈の損傷が示された報告は,本例が初めてと思われる.硬膜下血腫の増大,症状の遷延を認めた場合,出血源の確認を目的に,開頭による外科的処置が有効と思われた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2003-01-20
著者
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