血清α_1-antichymotrypsin値による頭蓋内疾患の予後判定 : 頭蓋内疾患130例の検討
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概要
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1992年1〜12目までに入院し,他臓器に重症疾患を有しない頭蓋内疾患130例(年齢10〜82歳,男:女=84:46)に対し内頸静脈より静脈皿を採取し,nephelometry法により血清α_1-anti-chymotryosin(α_1-ACT)値を測定し,追跡期問(6日〜15カ目)における予後〔介助なしで生活可能以上をgood(G),以下をpoor(P)〕との関係について検討した.その結果,(1)α_1-ACT値は非定型正常圧水頭症では硬膜外圧持続測定での圧波非出現群(G:16.7%),V-P shunt無効群(G:0%),くも膜下田皿ではH & k grade IV群(G:28.6%),脳内出皿や脳室内出血合併群(G:33.3%),脳血管攣縮でCT上底吸収域(LD)出現群(G:16.7%),高血圧性脳内出皿では混合型血腫群(G:0%),脳梗塞ではCT上一側半球の1/2以上LD出現群(G:0%),外傷性脳挫傷ではCT上一側半球の1/2以上LD出現群(G:0%),diffuse axonal injury(G:0%),外傷性頭蓋内血腫では混合血腫群(G:25%),脳嵌頓前兆候を有する慢性硬膜下血腫群(G:0%),神経膠腫ではastrocytom agrade III〜IV(G:16.7%),浸潤範囲がCT上一側半球の1/2以上群(G:0%),放射線非感受性群(G:0%)において有意に高値であった.(2)とPのα_1-ACTの平均値(mean±S.D.)はそれぞれ43.89±8.01,75.7±13.90mg/d/で,Pが有意に高値で,その境界は55〜60mg/d/付近であった.α_1-ACTは治療の結果ときわめてよく相関し,特に脳器質的変化の程度を反映するため,予後判定の一指標として評価できる.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1996-09-20
著者
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