アフガニスタンのカヤツリグサ科
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概要
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本稿は京大カラコラム・ヒンズークシ學術探檢隊採集の植物中カヤツリグサ科の報文である。このうち中尾氏採集のカラコラム産の分は先に本誌16巻166-8項に報告した様にスゲ類を主とするものであつた。今回の分はアフガニスタン東部の植物で北村教授の採集品である。この中で特に貴重なものはウキヤガラ類で,この類は,中亞細亞の乾燥地帯を中心として居り,この地域に最も多い。今度の採集で日本のコウキヤガラと S. strobilinus (=S. affinis) との差異を確認し得た事は最大の収穫である。更に歐州に廣く知られた S. maritimus の東方の變異を知ることも出來て,日本でこの類を研究するのに不可缺の資料を提供している。ハリヰ属の E. uniglumis の變化は全く著しく,恐らく ZINSERING 氏の露西亞植物誌3巻に發表の多数の類品は殆どこの變異の内に入るものとして考へられる。貴重資料研究の機會を與へてくださつた北村先生にハリヰ属の新種名を献じ,感謝の微意を表はし度い。
- 日本植物分類学会の論文
- 1957-12-10
著者
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