日本における「品質管理」から「経営品質賞」までの発展と世界的な動向
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概要
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品質管理は,第二次世界大戦中にアメリカ国防省が,従来の検査方式を改革すべくスタンフォード大学に研究を依頼し,この成果を基にMIL-Q-5923「品質管理要求」仕様書を制定した.その後,MIL-Q-9858(1964)「品質保証要求」仕様書に改定がなされた.これをルーツ(源泉)としてハードウェアについてはISO-9001(2000),ソフトウェアについてはISO/IEC-12207(1996)等の国際規格への発展がなされてきた.これらの国際規格以外に,企業が国際的な優秀性を評価するために,アメリカがマルコム・ボールドリッジ賞として創出した.他の多くの国においても,これに習って既に50ヶ国以上の国において,国家賞が設定され,日本でも「経営品質賞」が設定されている.また,アメリカのモトローラ社が開発したシックス・シグマ(6σ)手法も,アメリカはもとより他の国の優秀企業において適用され始めた.いずれも品質のみならず,企業の経営マネジメントの優秀性を対象にしたものである.一方でアメリカ国防総省は,21世紀直前において,ウエポン・システムに関する調達について,30年以上に基本理念としてきたMIL-Q-9858を廃止し,DoD Directive One "Contract Management One Book "(1996)を制定した.革新的な転換を行ったことが報ぜられている.いずれにしても,今後は企業における経営マネジメントの真価が問われる時代となり,これらの国際的な動向を十分に認識する必要に迫られていると考える.
- プロジェクトマネジメント学会の論文
- 2003-10-15
著者
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