粒径効果の研究史
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概要
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(1)粒径効果の研究の原点は,気-液態系では,理想気体を前提とするThomsonの式であり,液-固態系では,この式の蒸気圧を濃度とし,理想溶液を前提としたOstwald-Freundlichの式(O-F式)である.(2)O-F式は,常備の溶液にも適用されるように補正して用いられるようになったが,その意味する物性は多様である.(3)この式は、界面エネルギーを見積もるのに用いられ,結晶成長核の大きさを意味する.力の等式とみることができて,これより結晶化圧が導かれ,また一方でエネルギーの等式ともみることができて,これより標準自由エネルギーの変化が導かれる.一世紀を経た今日に至るまで,この式は,たとえば,Ostwald ripeningなどを論じるときに用いられ,一研究史の底流となって流れ続いている.(4)本編ではこの式を中心とする方法で,粒径効果の研究史の一端を解説した.
- 日本粘土学会の論文
- 1998-08-17
著者
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