耐乾性が異なるササゲ(Vigna unguiculata(L.)W_<ALP>.)の系統の幼植物における根の伸長速度
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概要
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スーダン・サヴァンナで見られる乾ばつは, 雨季の到来の遅れに伴い播種期が遅れるために, 作物の登熟期が大幅に乾季にずれ込むことにより発生する場合が多い.このため, 土壌水分欠乏下での根の伸長が優れていれば, 乾季の深層土壌に残留する水分を利用することができ, 被害は軽減すると思われる.耐乾性が異なるササゲ(Vigna unguiculata(L.)W_<ALP>.)の幼植物を, 根の観察が可能な細いアクリルパイプをポットとして用い, 土壌水分欠乏下で育て, 最長根の伸長速度を比較した.耐乾性極強の系統では, 土壌水分欠乏下で最長根の伸長が抑制される程度が小さく, 下層に分布する根量の割合も対照区と変わらなかった.一方, 極弱系統では, 土壌水分欠乏下で最長根の伸長が著しく抑制され, 下層に分布する根量の割合も対照区に比べ著しく減少した.土壌の水分含有率(w/w)につき, 13,11,9,7及び5%の処理区を設け, 土壌水分欠乏下での最長根の伸長速度を比較した.極弱系統では, 9%区ですでに伸長阻害が認められたが, 極強系統では7%区ではじめて阻害が認められた.ある範囲の土壌水分欠乏下で根の伸長を継続しうる極強系統の特性は, 乾ばつ下では極めて有利な特性であると考えられた.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1997-12-01
著者
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