テレビ映像放送波の移動受信におけるフェージング解析

概要

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本論文では, 移動受信されたテレビ映像放送波の基礎的な特性を解析した.まず精密なテレビ映像放送波の伝搬モデルを立て, フェージングを数式で解析し, 受信信号を表す1つの式を求めた.本論文で提案する解析では, テレビ信号だけではなく任意の信号が扱える.また, 広帯域信号伝送を考慮し, マルチパス歪みによるドップラー効果の影響を, キャリア信号と変調信号の両方に取り入れている.さらに, 最終的な受信信号を表す数式を数値的に評価した.そして, (テレビ映像放送波のような)広帯域信号を伝送した場合の特性と, 狭帯域信号を伝送した場合の特性は異なることがわかった.その結果は次のようになる.(a)時間相関は, 移動距離がλ_c/2以下でほぼ0の値を取る(λ_c : キャリア波長), (b)周波数(キャリア)相関は, 受信信号間のキャリア周波数間隔がある程度以上離れると, ほぼ一定の値を取る.また, 広帯域受信信号と狭帯域受信信号の間の相関係数は低い値を示した.したがって, 移動受信において広帯域信号と狭帯域信号は同一には扱えないと結論できる.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1992-12-20