<その2>鮮鋭な画像を得るための映像中間周波回路特性(カラーテレビジョン受像機の鮮鋭度と回路特性)

概要

論文の詳細を見る
本論文の<その1>では, カラーテレビ受像機の鮮鋭度を改善するために, カラー画像の鮮鋭度は輝度信号によって大きく左右されると考え, 輝度信号伝送回路の単位階段波応答におけるプリシュートとオーバーシュートに着目して, 鮮鋭度に対して望ましい両者の大きさの関係を示す曲線を見いだし, 等鮮鋭度最適曲線と名づけた.ここでは, <その1>で得られた等鮮鋭度最適曲線をカラーテレビ受像機の映像中間周波回路に適用し, 最適の帯域特性と映像搬送波の最適位置を求めることを試みた.包絡線検波により得られる過渡応答を五次の伝達関数について解析した.その結果, 必要な大きさのプリシュートとオーバーシュートを得るためには, 帯域特性は最大振幅平坦と最大遅延平坦特性の中間の特性を用い, かつ映像搬送波の位置は帯域特性の傾斜部の30〜40%利得の点に位置させるのが望ましく, また, 輝度信号・色信号・音声信号間の相互干渉を少なくするためには, 帯域幅を若干狭くしても画像の鮮鋭度は低下しないとの結論を得た.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1968-09-01