創薬における探索薬物動態スクリーニング(I) : 幅広い物性を有する化合物のための吸収評価系の確立
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
経口吸収性は生体内利用率に影響する重要なファクターの1つであり, ヒトでの低い吸収率さらにはその個体間の大きなバラツキは, 開発候補品のディベロッパビリティーを大きく低下させる. 近年コンビナトリアルケミストリー及びハイスループットスクリーニング(HTS)の導入は幅広い生物学的ターゲットに対して効率的にリード化合物の創出を可能にしてきたが, リード化合物の経口吸収性を初め体内動態に関わる物性を悪化させた. したがって, 創薬において吸収性に優れた開発候補品を創製するためにはリード化合物の最適化が必要となる. 吸収性は主に水に対する溶解性と膜透過性が大きく関わっており, これらのスクリーニング系が開発されてきた.近年その処理能力を上げるため, より簡便な比濁分析法や溶液沈殿法を用いた溶解性試験, さらにはCaco-2細胞の短期間培養法, N in one 及び96 well formatを用いた透過性試験系が採用されている.
- 社団法人日本薬学会の論文
- 2005-01-01
著者
-
松田 健一
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
小村 弘
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
茂本 友貴枝
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
河原 亥一郎
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
阿野 理恵子
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
村山 洋子
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
森脇 俊哉
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
吉田 長弘
バイエル薬品(株)中央研究所探索薬物動態分野
-
小村 弘
バイエル薬品中央研究所
関連論文
- 創薬における探索薬物動態スクリーニング(III) : 膜透過性及びCYP1A2の阻害活性に対するin silicoモデルの検討
- 創薬における探索薬物動態スクリーニング(II) : 代謝スクリーニングにおけるin vitroとin vivoの相関性の検討
- 創薬における探索薬物動態スクリーニング(I) : 幅広い物性を有する化合物のための吸収評価系の確立
- 探索段階におけるハイスループット薬物動態試験(II) - 代謝安定性の評価における問題点 -
- Introduction and Evaluation of a Newly Established Holiday Work System in the Ward Pharmacy at Municipal Ikeda Hospital
- 薬物動態試験におけるHTS法の取組み
- 薬物動態試験におけるハイスループットスクリーニング法(HTS)の取組み
- ミニレジュー(平成11年度日本薬物動態学会年会シンポジウムより) : 小腸代謝研究の現状と問題点