生物活性化合物の合成を指向するホスホン酸及びホスフィン酸誘導体の合成
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概要
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筆者(渋谷皓)らは生物活性化合物の創製を指向する合成化学を展開させてきたがその一環として,最近,ヘテロ原子団を有するホスホン酸誘導体の合成を検討してきた.医薬の創製研究において生体内の機能性リン酸エステルの構造修飾が活用されている.ヘテロ原子置換ホスホン酸及びホスフィン酸誘導体はペプチドの加水分解遷移状態のミミックとしてレニン阻害剤,HIVプロテアーゼ阻害剤などプロテアーゼ阻害剤の創製に利用されており,また生体内リン酸エステルの非水解性安定バイオアイソスター(生物等配体)として機能することから生物活性化合物の合成に広く利用されている.本稿ではホスホン酸誘導体及びホスフィン酸の最近の合成例について述べる.紙面の都合上,ジフルオロメチレンボスホン酸誘導体のPTP1B阻害活性,PNP阻害活性,SMase阻害活性に関する構造活性相関は述べないが,これらの酵素阻害活性の評価は福岡大学薬学部生化学教室,占野廣司教授添田秦司教授との共同研究によって行われた.
- 2004-11-01
著者
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