44. 放射線治療に於けるシェルの必要性(治療施設・装置・器具)

概要

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放射線治療においてシェルの利点は、それを用いて治療計画から照射体位の再現、固定まで一連の作業を精度良く行うことが出来、またCTMRI情報なども直接的に利用可能であるという点にある。欠点は作製に手間を要しコストが掛かることであった。1972年に日本で最初にシェルを導入してから北大病院で作製したシエルの数は約3000個となった。この数は北大で治療を行った新患者数の30数%、頭頸部患者の90%にあける。この間、シェルの材料を熱可塑性物質にすることにより作製時間を約3日から約30分と大幅に短縮させ、誰でも容易に作製できるようになった。また、患者の動きも約90%が1mm以下であり、固定具としての有用性も高い。これらの点が評価され普及率も年々上がり、保険適用が'94.4より一部認められコスト面でも改善されてきた。シェルは、一度作製してしまえば治療時の手間(整位、ブロック)はむしろ省ける点、また、患者にってはマーキングが無くなり美容上評価される点などの利点もある。シェルの使用部位の大部分が頭頸部である現状だが、他の器具との組み合わせ・装置の改善などにより適応範囲を広げれればと思う。
社団法人日本放射線技術学会の論文
1994-08-01