高張力鋼溶接部のルート割れに関する研究(第 1 報) : 熱的因子の影響について
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概要
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高張力鋼の溶接割れは, 高張力鋼の溶接性の中でも最も重要な問題の一つであり, 今迄に割れの研究のために数多くの試験法が提案されてきた。これらの試験法の中でリーハイ型(U開先)および鉄研式(y開先)の突合せ溶接割れ試験片を用いて引張強さ40∿90kg/(mm)^2の軟鋼および高張力鋼について広範囲の研究を行なった。高張力鋼板および溶接棒に対して適切な割れ試験方法を求めるために, 開先形状, 溶接入熱, 予熱温度, 溶接直後の後熱処理, 溶接棒の被覆系統および溶着金属の引張強さ, 鋼材の化学組成等の割れ発生状態に及ぼす影響および割れ発生時期を調べた。高張力鋼の溶接割れの様相は開先形状により大いに異なり, 特にリーハイ型の対称形をなすU開先と鉄研式の非対称なy開先において著しい。それゆえ鋼材の割れ感受性と溶接棒のそれを分離して能えるためにこの両方の開先の割れ試験片を用いるべきで, y開先は鋼材の割れ試験に, U開先またはY開先は溶接棒の割れ試験に適している。割れの中でもビード表面まで現われないものが多いので, 割れの検査は表面からのみでなく, ビード横断面や裏面において行なわれるべきである。本研究において認められたルート割れは鋼種, 溶接棒種, 予熱温度に無関係に溶接終了後約3min以上経って, 試験片の温度が約90℃以下になってから発生することがわかった。予熱を行なえば割れ防止に非常に有効であるけれども, 予熱を行なわなくとも溶接終了直後2min以内に, 熱影響部を600℃に局部後熱すれば割れを防止できることがわかった。
- 社団法人溶接学会の論文
- 1964-03-25
著者
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