夏季の北太平洋亜寒帯域におけるキタヤムシ(Parasagitta elegans)の鉛直分布および摂食状態の日周変化
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概要
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1997年夏,北太平洋亜寒帯域の異なった水塊を代表する3海域における毛顎類キタヤムシ(Parasagitta elegans)の鉛直分布および摂食状態の日周変化を調査した。標本は,0〜500m水柱を4層に分けて,鉛直多層採集ネット(VMPS)で採集した。水柱積算現存量と幼生が占める割合は,西部および東部亜寒帯域に比べてベーリング海でより大きかった。幼生は,西部亜寒帯域とベーリング海ではいつも表層に生息していたが,東部亜寒帯域ではより深い層に分布していた。I〜III期幼生は,西部亜寒帯域では表層150mに集中していたが,ベーリング海では20〜300mに広く分布していた。II期とIII期の幼生は,東部亜寒帯域では,かなり広範な鉛直移動を同調的に行っていた。この種の摂食率は,1日に1個体のヤムシが摂食した餌生物の個体数で表すと,西部亜寒帯域では0.18,ベーリング海では0.27,東部亜寒帯域では0.07と見積もられた。
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
著者
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