北太平洋亜寒帯域およびベーリング海における夏季の繊毛虫プランクトンおよびカイアシ類ノープリウス幼生の現存量の分布
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概要
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夏季の北太平洋北部からベーリング海にかけての亜寒帯海域を5海区に分けて,微小動物プランクトン卓越群である繊毛虫プランクトンとカイアシ類ノープリウス幼生の現存量の地理学的分布を調べた。全域において繊毛虫プランクトンがカイアシ類ノープリウス幼生を,個体数(>94%)と生体量(>78%)において大きく上回っていることが分かつた。海区ごとの特徴を要約すると,繊毛虫プランクトンの個体数は,アラスカ循環域(120×10^6 cells m^<-2>)と西部亜寒帯循環域(110×10^6 cells m^<-2>)で他海域よりも多く,生体量はベーリング海循環域(360mg C m^<-2>)と西部亜寒帯循環域(340mg C m^<-2>)で多かった。一方,親潮域(67×10^6 cells m^<-2>;170mg C m^<-2>)と移行領域(64×10^6 cells m^<-2>;160mg C m^<-2>)では現存量が少なかった。本研究で得られた生体量の値は,ベーリング海循環域とアラスカ循環域では従来の報告値に近いが,西部亜寒帯循環域では既報値よりも高かった。夏季の北太平洋亜寒帯域およびベーリング海では,クロロフィルa量と繊毛虫プランクトンおよびカイアシ類ノープリウス幼生の現存量の間には有意な相関は見られなかった。
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
著者
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