中継増幅を用いた光ソリトン伝送に対するファイバ複屈折の影響

概要

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エルビウム添加光ファイバ増幅器の出現に伴い、再生中継に依らない長距離光ファイバ伝送が可能となった。特に、光ファイバの異常分散特性と非線形チャープの相殺効果を利用した光ソリトン伝送は、理想的には無歪みでパルスが伝送可能であることから特に注目されている。ところが、実際のファイバ伝送路では、真円性が保たれないために生じる偏波分散が存在しており、高速のソリトン伝送路に甚大な影響を与えることが予想される。偏波分散が、相互位相変調によるチャーピングによって補償され得ることは既に報告されているが、集中定数的増幅を行う伝送路では、各増幅器の利得を各区間の偏波分散量に応じて変化させなければならず、現実的ではない。筆者らは、相互位相変調による補償が効かない場合でも、複屈折の固有軸を変化させることで対処可能であることを、無損失ファイバ伝送路のシミュレーションによって示した。本論文では、この方法を損失線路に応用し、中継増幅器間の伝送特性と、ファイバに捻りを加えたときの伝送特性を計算した結果について報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-09-26