扁平状磁性金属粒子からなる軟磁性体を用いた準マイクロ波帯用薄型電波吸収体の設計
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概要
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現在の準マイクロ波帯域(1〜3GHz)の電波吸収体は立方晶フェライト粒子と高分子との複合体で、この整合厚は複素透磁率周波数限界線(Snoekの限界編)に縛られ6mm以下にはできない。一方、金属系の軟磁性体は金属系特有の浅い表皮深さに起因する複素透磁率の低下を抑えれば、現状の立方晶フェライトを越える複素透磁率値が期待できる。そこで我々は、厚さ2〜3μmの薄い扁平状の金属軟磁性粒子を高分子中に電波の入射方向と垂直に配列した複合体を、新たな電波吸収体用の材料として提案した。事実この複合体は準マイクロ波帯で立方晶フェライト系の2〜3倍の複素透磁率値を示した。また本複合体は金属粒子を含有するため、複素誘電率値が複素透磁率値を大きく上回り、特性インピーダンスにアンバランスを生じるため反射を起こす。そこでこの複合体を電波吸収体に適用する際は、複合体同士の間に空間等の低誘電率の領域を設け、平均の複素誘電率を下げる構造とする。本報告ではこの構造体の吸収特性を、まず計算で検討した結果について述べる。
- 1996-09-18
著者
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