2次元FIRフィルタを用いた音像制御の方法

概要

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近年、立体映像における奥行き感と同じように音像に対しても遠近感を入れることの提案がなされ、大規模なスピーカアレーを用いて遅延操作を行なうことにより遠近感を持たせようとする試みがなされている。一方、スピーカアレーと2、3次元ディジタルフィルタを用いて指向性アレースピーカを実現する研究が行なわれている。そこではフィルタの振幅特性は通過城形状がファン又はコーン形であり、位相特性は直線すなわち一定群遅延であった。しかし、このような2、3次元ディジタルフィルタは群遅延特性を任意の形状にもすることが可能である。本研究では、音像制御を波面形状の制御と考え、それに必要とされる遅延特性を群遅延特性として2、3次元ディジタルフィルタに持たせ、このようなフィルタを設計し、音響ビームにおける音像制御を実現することを考える。本文では直線スピーカアレーと2次元FIRフィルタとによる指向性音響ビームの形成において波面形状の変形を試み、良好な結果を得たので報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-09-18