数値生態系モデルによる北太平洋の低次生産機構に関する研究(2003年度日本海洋学会岡田賞受賞記念論文)
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概要
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筆者がこれまで取り組んできた題材を中心に,海洋生態系モデリングについての概観を行う。標題の北太平洋に関するモデリング研究では,季節変動パターンの多様性がどのように形成されるかという問題に対し,海洋大循環モデル(OGCM)に比較的単純な生物過程を組み込んだモデルを用いて解析を行った研究を紹介する。モデル結果は,海域によって湧昇流や混合層深度などの物理環境が異なることでそうした多様院のおおまかな部分が説明できることを示唆している。また,アラビア海における夏季植物プランクトンの形成機構について,同じくOGCMに生物過程を組み込んだモデルを用い,アラビア半島岸の沿岸湧昇と,それに伴なう栄養塩の水平輸送の重要性を解析した研究結果を紹介する。最後に,そうした生態系モデリングが発展していくべき方向性の一つとしての「地球システム科学」について,その意義と国際的な研究状況,今後の見通しなどについて述べる。
- 2004-03-05
著者
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