特殊印刷封止技術(PES)を使用したLSI用液状エポキシ樹脂封止剤とその信頼性
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概要
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最近のLSIのパッケージングの傾向はICカード, LCD,携帯電話やブックタイプコンピュータなどの携帯機器の発展により,薄型化,チップオンボード(COB)化の動きが急になってきている.従来の, トランスファモルディングによる方法ではこれらの要求に対応が困難になってきている. また, この方法は高価な金型を用いなければならないし,ランナーやカルなどの樹脂ロスが多い,製造プロセスが長いなどの点より,経済的な面でも不利になってきている.本論文では, トランスファモルディングに変わるLSIのパッケージング方法として,特殊印刷封止技術(Printing Encapsulation Systems (PES))を開発した.この方法は量産性に優れ, 1mm厚さ以下の薄型のパッケージングを容易に可能にし,高価な金型を必要としないし,樹脂のロスもほとんどないため,経済的にも非常に有効な方法であると考えられる.PESに適用する封止樹脂は液状のエポキシ樹脂を使用するため,印刷後,硬化後のチキソトロピックの安定性のよいことが,非常に重要である.チキソトロピック剤の検討を行った結果,高純度シリカの微粉末が有効であることを突き止めた.そして,長時間の印刷にも耐えることを明らかにした.次に,今後のLSIの大型化に備え,シリコン樹脂でエポキシを変性することにより,低応力化を可能にした.この変性エポキシ樹脂を用い10×10 mm角のLSIを用いたボールグリッドアレー(BGA)で信頼性の試験をした結果,高い信頼性を得ることができた.PES法とこの低応力エポキシ樹脂を使えば,今後の新しいパッケージングであるBGA, PLCC, CSP, MCM, TABなどにも応用が見込まれる.
- 1996-08-25
著者
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大山 紀隆
日本レック株式会社
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奥野 敦史
サンユレック株式会社半導体事業部
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奥野 敦史
日本レックス株式会社
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藤田 典子
日本レック株式会社
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永井 孝一良
日本レック株式会社
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橋本 常一
日本レック株式会社
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永井 孝一良
サンユレック株式会社半導体事業部
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