2種類のソフトウェアハザードレートをもつ不完全デバッグモデルとベイズ理論の適用に関する考察

概要

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高度情報化が進む中,システムやその中枢を担うソフトウェアの信頼性確保は,ますます重要となってきている.ソフトウェアの信頼性評価法としては,以前よりソフトウェア故障の発生現象あるいは,フォールト発見事象を記述する数多くのモデルが提案されている.しかしながら,その多くは,テスト工程あるいは運用段階で発見されたフォールトは,すべて修正・除去され新規フォールトは作り込まれないという完全デバッグ環境を仮定していた.しかし実際には,修正時に新規フォールトが潜入してしまう不完全デバッグ環境を仮定する方がより現実的であると考えられる.そこで本論文では,テスト開始前に潜在するフォールトと修正時に新規に潜入するフォールトにより引き起こされるソフトウェア故障の2種類を考え,不完全デバッグ環境におけるソフトウェア信頼性モデルの構築を行い,モデルの適合性及び妥当性について考察する.また,構築されたモデルに対し,ベイズ理論を導入し,実際データに対する適用例と実用性についても考察する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-10-25