確率過程の自由度・フィッシャーの情報量・周波数-時間積
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概要
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まず,定常過程のn次自由度を有限長標本のn次標本モーメントを用いて定議し,それから導かれる確率過程の相関時間と等価帯域幅について示した.そして,2次自由度が標本分散の分布をガンマ分布で近似したときの,そのガンマ分布の自由度と一致することを示した.更に,正規過程の場合について,1次自由度は正規化フィッシャー情報量と同じであること,また,正規AR過程については2次自由度も正規化フィッシャー情報量と同じであること,を示した.フィッシャーの情報量は必ずしもいつでも計算できるとは限らず,実際的でない,それに対し,ここで定義した自由度は簡単な標本モーメントを基本量としており,実際のデータから容易に計算でき,また,相関時間や等価帯域幅などの有用な特徴量が導き出せるため,実際的である.最後に,帯域制限正規過程の自由度を帯域幅と時間長との積(周波数-時間積)の2倍(2WT)で近似するときのその近似の意味について検討した.特に,2次自由度における近似の収束速度は遅く,2WTの対数に依存することを示した.これは,確定的信号の信号空間次元を2WTで近似する場合と同じであり,確率過程の各モーメントごとの信号空間次元を考える上で興味深い.
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-08-25
著者
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