陸上移動通信におけるOFDMの伝送路特性に基づく秘密鍵共有方式(情報セキュリティ基礎)

概要

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陸上移動通信の盗聴対策として,通信路の伝送路特性に基づく鍵配送なしの秘密鍵共有方式の実用システムヘの適用を検討し,0FDMに適した時変周波数特性に基づく秘密鍵共有方式を提案する.提案方式は,伝送路の可逆性に基づき時変周波数特性を交互に測定し,鍵の生成と鍵の共有を図るものである.また,提案方式では,鍵生成誤り対策として伝送路特性の測定時間差補償,同期加算処理による雑音軽減,代数的復号法による鍵不一致訂正などを適用し,更に,鍵の安全性の評価をするために鍵の独立性評価法の検討を行った.提案方式の性能を評価するためのシステムモデルとして,より現実に近い環境での動作検証を行えるようOFDMを利用したIEEE802.11aの無線LANの規格に準拠したモデルを構成し検討を行った.計算機シミュレーションを実施した結果,各種の鍵不一致対策を行うことによりSN比15dBの現実的な設定において秘密鍵共有が可能であることを確認した.また,独立性の評価法を行った結果,十分に独立性が保たれていることが確かめられた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-10-01