プロトン交換LiTaO_3光導波路の電気光学定数の測定
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概要
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LiTaO_3は,「光損傷に強く,分散が小さいという特徴をもっている」と言われており,LiNbO_3光導波路におけるDCドリフト,光損傷といった問題の解決策として期待されている.本論文では,まずZカットLiTaO_3基板上にプロトン交換およびアニールによりシングルモード3次元光導波路を作製するための設計方法について述べる.これを用いてアニール時間の異なる位相変調器を作製し,位相変調法によりr^S_<33>を測定した.その結果,交換直後6pm/Vであったものが,アニールを400℃,30分以上行うことによって22pm/V(バルク値の約7割)まで回復することを明らかにした.また,共振法によりr^T_<33>を測定した結果,r^S_<33>測定値より3割大きな値となり,アニール30分ではバルク値とほぼ等しい値を得た.更に,SIMS分析によりアニール前後のLi,H^+の濃度分布の変化を測定した結果,アニールによってLiが基板内部から表面へ戻り,H^+が深さ方向に拡散していくことを明らかにした.この事実は,プロトン交換層の結晶性が交換前の状態に近づきr定数の劣化が回復することを示唆している.
- 1993-11-25
著者
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