多層膜回折格子による平面波回折問題の数値解析
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概要
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多層膜回折格子による平面波回折問題を解析するための数値解析アルゴリズムを導いた.このアルゴリズムは,平滑化操作を伴う安浦の方法に基づくもので,溝形状が滑らかな任意の多層膜回折格子の問題に適用することができる.また,本論文のアルゴリズムにより求められる近似解の系列の収束状況について数値的に調べ,平滑化操作の導入により高精度の近似解が算出できることを実証した.本論文のアルゴリズムを用いれば,赤外から可視領域にわたる多層膜回折格子の特性解析を比較的少ない数値処理量で実行することができる.数値例として,金属格子の表面に高屈折率の誘電体層と低屈折率の層を交互に積層した多層膜回折格子の回折効率を本論文のアルゴリズムにより求め,次のことを確かめた:(1)誘電体膜をコーティングすることで,特定の波長領域において金属による入射光の電力の吸収を抑制できる:(2)多層膜回折格子では誘電体膜に励起される導波モードと回折波とのカップリングによる異常共鳴吸収が発生する.
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-25
著者
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