音声ブラウザの利用を考慮したウェブリンクの提示に関する提案(<特集>福祉と音声処理及び一般)

概要

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本稿では,視覚障害者に対して,ウェブページ内の情報を迅速に伝達することを目的としたリンクの提示方法を提案する.視覚障害者はウェプ操作に慣れるに従い,ページ内の情報をいち早く把握する手段として,リンクのみを辿る傾向がある.しかし,視覚的にページの全体像を把握することができないため,リンクを辿るだけではページ規模や重要な情報の箇所が分からず,聞き逃してしまうこと,或いは,目的とする情報が読み上げられる前に別の情報を誤選択してしまうため,操作の手戻りに繋がることが多い.そこで,リンクを読み上げる前にページ内のリンク総個数を提示し,各リンクを読み上げる際は番号を付与する読み上げ手法を提案する.リンクの総個数提示は,読み上げが開始される前にページ規模の把握を可能にし,総個数提示と併せてリンクに付与された番号から,読み上げ位置及び残量の把握に繋がる.全盲障害者10名に対する評価実験を通して,提案手法は視覚障害者の操作性向上に効果的であることを確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-10-21